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決算セール第2弾、紬・小紋展【10/13~東京開催】のお知らせ

2023年9月26日 15時21分

着物通販サイト京都wabitasは、9月に決算セール第一弾「男着物展」を、東京で開催しました。

第二弾の決算セールも東京で開催します。今度は女性の商品だけで、紬や小紋に帯を決算お値打ち価格にして販売します。下記に主な内容など説明と共に商品を紹介させて頂きます。

その前に、大盛況だった9月の男着物について、少し振り返りをして10月のご案内に移らせて頂きます。

【9月に開催した男着物展の振り返り】

初日から最終日まで沢山のご来場があり、大盛況で終えることができました。ご来場いただいたお客様からは、「次回の開催はいつですか?」というようなご質問があったりして、盛況な催事となりました。

男性モノ商品だけでこれだけ沢山の商品を見れることが無いので、来られた方の殆どが興味を持って品物を見比べて、吟味した中でご要望に合う品を購入して頂けました。

着尺では左志め織物の五百機小紋のお召や、長井綾織の新作にオリジナル染着尺など、ワビタスの創作品が好評でした。

決算セールということもあり、事前予約頂いた方にお配りした割引クーポンも、購入された方にとっては嬉しいサービスだったようです。(決算セール男着物展は、京都でもする予定です)

その他、クーポン券にプラスして、来られた方だけにしか分からない嬉しいサービスもあり、購入された方には喜んで頂けました。

そんな大好評だった決算セールの第二弾になる催事を、10月13日~10月15日に、女性モノだけの【紬・小紋展】と題して、再び東京の会場で開催します

関東在住の着物好きの皆様、是非この【紬・小紋展】へお越しください。

第二弾決算セール【紬・小紋展】開催

《日程》10/13(金)~10/15(日)

10月13日(金)15時オープン~18時閉店

10月14日(土)11時開店~18時閉店

10月15日(日)10時開店~14時閉店

《会場》東京都南青山(表参道)にあるレンタルスペース

表参道の交差点から歩いてすぐの所にある、レンタルスペースが会場です。

【お申込み方法】

お申込み方法は、男着物展と同じで簡単にできます。

京都wabitasウェブサイトの【お問い合わせフォーム】から、住所・氏名など記入して、お問い合わせ項目のご来店予約についてを選び⇒お問い合わせ内容の欄に「東京の紬・小紋展に行きたい」と書き込むだけです。

電話、メールでも受付可能です

TEL075-342-2088(平日9時~17時)※10/14・10/15は会場にいるため電話対応不可

10/14・10/15の期間中の連絡先は下記↓にお願いいたします
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
LINE(※チャット対応のみ:通常は平日9時~17時)
ウェブサイトのお問い合わせフォーム

お申込み完了後、詳しい通知をメールで差し上げます。

後日案内状及び入場券と、事前予約特典として、この期間のみ有効となるお得なクーポン券も同封してお送りします。

予約といっても、何日の何時ということではなく、「期間中の何れかで行く」というような内容で結構です。

それでは、主な商品ラインナップをご紹介させて頂きます。

紬・綾織

ワビタスの定番は何と言っても、長井綾織りや米流絣の紬など山形県長井の長岡織物さんで織って頂いた反物です。

長岡織物さんで織る綾織り着尺は、見た目と質感は黄八丈と間違えそうなくらいハイクオリティなのに、価格が商品のクオリティの割に凄くリーズナブルです。それにあま撚りの糸で織ってあるので通気性が良く、温暖化の日本においては、着心地が黄八丈よりもいいのではないかと、私は常に思っています。

市松格子、グラデーション、まるまなこのタイプを持っていきますが、まるまなこの紬は新色が織り上がる予定になっています。

長井綾織紬 まるまなこ

グラデーションのタイプは、定番打ち切りを予定しているため、当日は決算特価が付きます。

長井綾織グラデーション

その他、市松や縞などシックで素敵なタイプもお持ちします。

(当日までに売れてしまったらお持ちできません、予めご了承下さい)

そして、只今ワビタスの紬コーナーのメイン商品が、絣の伝統工芸士:長岡正幸氏謹製の米流絣の小絣紬です。

本場沖縄の琉球絣よりも細かく絣が入った、高級紬になります。

この紬展用に2年間も織り貯めて、現在は6タイプが揃い当日ご覧頂くことができます。

長岡正幸謹製米流絣の紬:茶(このタイプで藍色も織り上がりました)

他のタイプ全てサイトに出ている品をお持ちします。

写真で見るより現品はレトロでおしゃれな高級感漂う素晴らしい高級紬の織物着尺です。

置賜紬といえば、なんといっても白鷹お召です。

欲しい人は凄く多いと聞いておりますが、生産が少なく持ってるのが貴重な逸品になっております。

京都wabitasでは、小松織物工房さんが織る板締め手織り白たかお召を、現在8点持っております。

10月の展示会に持っていくので、是非見に来てもらえればと思います。

白たかお召板締め絣

今年の12月に超大幅値上げ要請があってからは、小売り上代も大幅に上り本場奄美大島紬などと同じように、元々が高価な商品が、さらにワンランクアップした高額品になってしまいました。

でも、京都wabitasは今回の展示会も据え置き価格でお求め頂けるようにご用意致します。

松皮菱

七宝

蚊絣(十字絣)

横段:黒(白もございます)

これだけ揃って見れるのは、いまでは貴重だそうです。全部持ち込みますので、お楽しみに。

織物では、男着物展でも大好評だった左志め織物謹製の五百機小紋お召を再び持ち込みます。

左志め織物さんの商品は着尺だけではなく、本家本元の【雨コート】の名品を新しく入荷しました。

格式高い正倉院文様を織った雨コート地を6点ご覧頂けます。

左志め織物謹製雨コート:天平錦

そして、丹後(京都)の織物では、リーズナブルな御召が入ります。

※丹後のお召着尺

ネコの可愛い小紋柄を織ったお召

その他、小紋タイプや無地感タイプなど丹後のお召はバラエティーに富んだ品をご覧頂けると思います。

ここからは紬を染色した紬の染着尺をご紹介します。

まずは小千谷の高級白紬を東京染に染めた、紬の江戸小紋です。

東京染の工房:金田染工さんで染めた粋なタイプばかりです。

小千谷紬の江戸小紋(東京染)

全て東京染による紬の江戸小紋が20点近くご覧頂けます。

紬の染物といえば、日本三大紬の一つでもある「牛首紬」も、全てお持ちします。

京都wabitasの扱う牛首紬は、全て加藤手織りつむぎ謹製の手織り牛首紬です。

無地に染めた反物が14点と、先月の男着物展で発表したローケツ染ストライプ2点です。

ローケツ染ストライプ(幅広41.8cm)

紬の染小紋は他にも友禅やぼかしタイプなど、いろいろなタイプがご覧頂けると思います。

小千谷紬の京友禅小紋

ローケツ染友禅

紬のぼかし染着尺

AB反の染紬:シケ友禅

その他、いろいろなタイプを見て頂けます

そして、今回当日発表になりますが、染の中でも最も高額な高級絵羽訪問着を紬で染めた生紬の着物(仮絵羽)を、ドーンと大処分価格でご用意致します。

生紬訪問着(絵羽着物)10枚限り大処分

ここまでは紬やお召など先染織物に、紬地を染めた高級染紬をご紹介しましたが、モチロン小紋展なので京都の柔らかモノ小紋も沢山お持ちします。羽織モノ(上物)などにもおススメできる反物もご覧頂けます。

ワビタスオリジナル小紋「和浪漫」

夢二浪漫をイメージして創作したアンティークカラーの小紋です

その他、オシャレ小紋いろいろ厳選した品を持ち込みます

モチロン人気の古典柄小紋も持っていきます

この他にも新柄の小紋も揃うことから、小紋の品揃えは凄く充実します。

「少々難あり」などの訳ありB反処分品も少しですが、お持ちします。

その他、色無地着尺(正絹)や、加賀友禅附下などワビタスのサイトの商品もございます。

着尺がある程度メインになりますが、モチロン【帯】も沢山持っていきます。

紬や小紋用に八寸の帯

京都ワビタスの帯は、米沢織など山形県置賜地方で作られた帯が多いです。

九寸の帯(下の画像は白鷹の手織九寸雪花織)

米沢織と西陣織の半幅帯

本場琉球首里花織の半幅帯(手織り)

今回仕立て上がった帯を、処分特価でお求め頂けます。

(内容は袋帯に、名古屋仕立・開き仕立てなどの、なごや帯です)

ここまではウェブサイトでお馴染みなタイプの帯でしたが

ショールームだけで限定販売している、お召の機で織った軽くて凹凸のシボがある、高級風通織の帯も数量限定で持っていく予定です。

風通織の帯(お召機の帯)

全通柄で織られた、カジュアルな帯ですが、何と言っても風通織で軽いのが特徴です。

お召機で強撚糸を使って織っているので、軽いのに丈夫で締めやすく、締めた後も緩んでこないなど、いいことが沢山ある素敵な帯です。

【長襦袢】予約特典商品

長襦袢ですが、正絹の反物を礼装用~セミフォーマル~おしゃれまでご用意すると共に、訳ありB反処分品も少し揃います。

そして、今回限定の特別サービス特典として、ご予約頂いた方にはクーポン券を見せて頂ければ、正絹長襦袢を表示価格から更にお得な予約特典の超特価でお求め頂くことができるサービスを当日はご用意させて頂きます。(B反品は対象外です)

予約特典のクーポン券があれば、長襦袢が表示価格から更に格安で購入

正絹長襦袢綸子ぼかし染(反物)表示売価¥18,700

正絹長襦袢国産小松綸子(反物)表示売価¥20,900

正絹長襦袢おしゃれ友禅(反物)表示売価¥18,700

正絹長襦袢国産丹後綸子逸品(反物)表示売価¥27,500等

その他、お楽しみ頂けるように、いろいろな長襦袢を準備してお持ちしております。

《岡重のレトロでアンティークな長襦袢》

長襦袢は価格に拘わらず、どのランクも良質で良いモノをお持ちします。当日現品を見られてガッカリさせないように、厳選した品をご用意致しますので、ご期待ください。

このように、10月の決算セール第2弾【紬・小紋展】by東京表参道では、事前予約をして頂くだけで大変お値打ちなサービス特典をご用意しています。見てみたいという方は気軽にお申込み下さい。

ただ、無理に買わなくても大丈夫です。

見るだけでもOKです】

ご予約頂いて、お得なクーポンや予約特典などが付いているといっても、お好みの品が無ければ、買わなくても大丈夫です。

「買わないと帰れない」「帰らせてもらえない」というようなことは、一切ございません。

スタッフの人数も少ないので、会場に入られたらフリーマーケット方式で、自由に好きなだけ商品をご覧頂けます。

気になる商品で何か質問があれば、スタッフにお尋ねください。

「どんな商品があるのか興味があり、今回は見るだけにしたい」ということでも全然OKです。

割引クーポンは効きませんが、現品を見てよく考えてから、後日ネットで購入という方法もありです。

目的は着物を広めるため

京都wabitasは、男着物展を開催した時の目的も、今度の紬小紋展も開催する目的は同じです。

営利目的も当然ありますが、それは第二の目的であって、1番の目的は「着物を広めるため」です。

「着物は怖くて買えない」、「着物は高くて買えない」

そんな不安を解消して、実は着物はもっと気軽に着れるし・買える、ということを認知して頂きたく、今後も取り組んでいきたいと思います。

沢山のお申込みお待ちしています

残暑もようやく落ち着き、少しづつですが秋っぽくなってきました。これまで以上に着物が着たくなる、着物が似合う季節になってきました。

沢山のお客様にご来店頂いて、満足して帰って頂ける、そんな京都ワビタスらしい楽しいイベントにできるように、スタッフ一同しっかりと準備していきたいと思います。

沢山のご来場お申込みをお待ちしております。

以上、10月13日~10月15日に開催する決算セール第2弾【紬・小紋展】東京開催とお申込みに関するお知らせでした。

着物通販サイト京都wabitas(ワビタス)

10/23~11/30京都でも決算セール

2023年9月19日 17時37分

10月13日~15日に東京で京都wabitas「紬・小紋展決算セール」を開催しましたが、初日から三日間全て沢山のお客様にご来場頂くことができました。9月の男着物展そして、この10月の紬小紋展を通して、東京開催の決算セールは共に大盛況に終えることができ、開催して本当に良かったと思います。

ご来場頂きました皆様に改めて御礼申し上げます。

東京の次は、京都でも引き続き決算セールを開催します。

会場は、京都wabitasショールーム「蔵」になります。

期間ですが、10/23(月)~11/30(木)のロングランで、蔵には2~3組しか入れないので、完全予約制にしての開催とさせて頂きます。

ショールーム蔵には、ウェブサイトに出している商品はモチロン、ショールーム限定品もございます。

また、東京の決算セールで大好評だった、事前予約特典の割引クーポンを、京都の決算セールでも適用させて頂きます。

(9月・10月に東京で大好評だった割引クーポン)

決算セールお値打ち価格でお買い求め頂いた、お買い上げ金額の総額から¥5,500を値引きします。

また、この期間中は仕立てした方が断然お得です。仕立て代金から¥6,600を値引きします。

更に撥水ガード加工(¥4,400)が、無料サービスになるので、総額¥16,500もお得にお買い物ができます。

《お買い物総額から¥5,500、仕立て代金-6,600、撥水ガード加工無料-4,400》

東京と違うのは、予約制なので、自分だけのリラックスした空間で、好きなだけ自由に商品をご覧いただけるということです。

ショールーム「蔵」の売り場構成は、

1Fに正絹小紋、色無地、御召、附下、紬、帯、雨コート、長襦袢、小物など女性の部屋になります。

2Fは、御召・紬など男着尺、袴、角帯、男長襦袢、男の裏地、羽織紐、雪駄など男モノの部屋になります。

各部屋には姿見が取り付けてありますので、気になる反物が自分に合うか、体に当ててご覧いただけます。

京町屋の奥にあった蔵を改装して、今年の5月に完成したばかりのショールームで、人目を気にせずリラックスした空間の中で、自分好みの商品を見つけて下さい。

予約方法ですが、ショールームの予約方法と全く一緒です。

京都wabitasのウェブサイトにある⇒【ショールーム予約】から、平日・日曜で空いている日(〇印の日)と時間を選んで、お申込み下さい。(土曜日及び祝日は定休日とさせて頂いてます)

ウェブサイトには出していない、「訳あり」アウトレットセール品なども多数ございますので、是非ともお越し頂ければと思います。

沢山のご予約のお申込みをお待ちしております。

以上、京都で開催する決算セールのお知らせでした。

着物通販の京都wabitas(ワビタス)

下に蔵の商品内容を再度ご紹介してますので、ご覧ください。

【ショールーム蔵の1F】

正絹小紋・色無地・附下・紬・お召などの着尺(反物)コーナー

八寸の帯は新作も入ってきて、常に揃っています。

半幅帯は、今では京都wabitasの定番品となりました。沢山揃っています。

この他、薄物羽織~塵除けコート地、雨コート地に、正絹や本麻長襦袢の反物もズラリと揃います。

一部ですが、西陣織の高級袋帯を現品のみ在庫処分超特価でご用意しています。

2Fの男の部屋には沢山の男着尺や袴地に、裏地や長襦袢がご覧頂けます。

この他、新作の男物も沢山あります。

男着物に牛首紬と黄八丈のような綾織り着尺

2023年9月9日 15時08分

牛首紬や長井綾織りなど男物に新商品が追加

男着物の着尺コーナーに新しい商品がどんどん入荷してきました。

その一つが、牛首紬を染めた後染の特選男着尺と、長岡織物謹製の長井綾織り先染の特選男着尺です。

後染の逸品と、先染の逸品にもう一つは、その両方を混ぜ合わせた先染の織物の上に後染した着尺の3タイプです。

牛首紬はこちらの2色です

■ 特選男着物牛首紬着尺「加藤手織りつむぎ謹製」 ≪ローケツ染:モノクロ≫ 

本品は、「加藤手織りつむぎ」謹製の牛首紬キングサイズ幅をローケツ染友禅した正に最高級男紬の逸品です。

黒からグレーに変わるモノトーンカラーの染で、めちゃくちゃ粋です。

もう1色

■ 特選男着物牛首紬着尺「加藤手織りつむぎ謹製」 ≪ローケツ染:モノトーン青緑~黒≫

シックなモノトーンカラーに玉糸のネップ(節)に染だまりが出来て、紬感がしっかりと伝わる、これぞ牛首紬と言える名品です。

どちらの色も粋な男着物になること間違いナシです

加藤手織りつむぎさんの織る牛首紬は、凄く丈夫な生地とは裏腹に、あま撚りの糸にしてあるので、実際には通気性に優れており、袷だけでなく単衣着物にして頂いてもいい最高の紬なんです。

あま撚りの糸なので、通気性があり着心地いいんです

この牛首紬ローケツ染の男着尺は、東京開催の男着物展及ショールームでもご覧頂けます。

この牛首紬にも見劣りしない、先染による綾織り男着尺が、山形から新商品として届きました。

■ 長井織物男着尺【逸品】 ≪市松ストライプ41cm幅≫

一見すると「黄八丈」と見間違るほど、いやそれ以上に粋で着やすい、そんな織物です。

細かな市松の光沢ある綾織りで、黒の縞が入ってグラデーションを生んでいます。

黒から金茶へ色が変わっていきます。

4色に色が変わり、市松と縞とが重なりあい創造していた以上に素晴らしく粋な織物が出来上がりました。

この作品は、ワビタスでも沢山の商品を扱っている山形県長井にある長岡織物さんで織って頂きました長井綾織りです。東京の男着物展に合わせて41cm幅の男幅で織ってもらっています。

後染の牛首紬、先染の長井綾織り、それぞれ男着尺が出来上がりましたが。

もう1点

最後にご紹介する新しい男着尺は、先染の織物着尺を後から染めた、粋な縞ぼかしの男着尺です。

■ 男着物:米沢綾織(反物) ≪縞のシルエット後染ぼかし≫

ダークカラーをシックに見せた、縞模様の墨ボカシ染着尺ですが、元の生地は斬新な縞柄を織った、御召のような綾織り男着尺でした。

このよに、金茶がベースの荒々しい縞模様の織物着尺を、全く別物のように上染した創作品です。

織は山形県米沢の織物メーカー東匠猪俣謹製の綾織り着尺で、黄八丈のように細かい「まるまなこ」を織った綾織りです。

両端を黒で徐々に墨黒になり、中央が一番薄めの墨色にした、手染による濃淡ぼかし友禅を引いてあります。

中央には元の金茶が薄っすら浮かんで、縞もシルエットのように浮かび上り、全体に幻想的な仕上がりで、凄くシックでオシャレな男の反物に仕上がっています。

羽織にも長着(きもの)にも粋な作品です。

本日ご紹介した作品は、京都wabitasウェブサイト及び京都のショールームでご覧頂けます。

秋に向けて男着物の品揃えを、どんどん増やしていきますので、男物も宜しくお願い致します。

着物通販サイト京都wabitas(ワビタス)

牛首紬の魅力を再発見

2023年5月18日 10時16分

着物通販サイト京都wabitas(ワビタス)では、日本三大紬の一つでもある加藤改石謹製牛首紬を取り扱っています。

加藤改石さんが2022年にお亡くなりになられて、今は「加藤手織り牛首つむぎ」と社名を変えられています。

そんな加藤手織り牛首つむぎさんに、着付け教室を主宰されている着付けの先生が、機織りなど製造工程を見学したいというご要望を頂きましたので、白生地屋の社長さんにも同行して頂いて、4人で行ってきました。

10年以上前にも行ったことがあったのですが、久しぶりの訪問となりました。

改石さんの後を継がれた息子さん(社長)に、製造工程の説明をして頂きました。この日は繭から糸を挽く座繰りよりからの手挽作業(のべひき)を二人の女性の方がされていました。

緯糸に使う加藤手織り牛首紬の特徴の一つでもある貴重な「玉糸」が出来る工程です。

加藤さんの牛首紬に使っている緯糸は100%玉糸を使われています。(これは凄いことなんです)

よく「玉糸織り」や「玉糸使用」のような紬を見かけますが、これらは何本かの生糸に交ざって1本が玉糸という織物で、加藤手織り牛首紬とは、使用比率が全く異なります。

《上の画像で、左の大きな繭が玉繭で、右は一般的な繭です》

何せ緯糸に100%玉糸を使用するので、沢山の玉繭を用意しないといけないということでした。

後で社長さんと奥様から、玉繭の状況について説明を聞けたのですが、日本にあった玉繭の殆どは加藤さんに入って既に使用されて、現在は国産の玉繭は殆どなく、中国からの輸入繭しかないため、現状から今後も中国の繭を買い付けすることになるそうです。

これほど沢山の玉糸を使用する機屋さんは、加藤さんだけしかなく、そのため国内の養蚕農家で玉繭に、力を入れて生産するところが無いということです。

中国の玉糸は国産の糸よりも綺麗すぎるため、織り上がった生地に、以前とは違う変化があり、製造されている加藤さんとしては、悩みの一つになっているようです。

話が少しそれましたが、そんな玉糸(緯糸)作りの工程で、「あま撚り」にする工程があり、あま撚りにすることで、牛首紬が着心地よくなることを、説明して頂けました。

加藤さんの奥様曰く、牛首紬は分厚い丈夫な生地ですが、あま撚りの糸で織っているので、実は通気性がいいという特徴を持っているのと、光沢があって絹本来の温もりを体感できる、「着心地のいい織物なんです」という説明をして頂きました。

【あま撚りについて】

普通の生糸よりも撚りの回転数が少ない糸を「あま撚り」といいます。京都wabitasで扱う商品の中で牛首紬以外に、長岡織物さんが織っている長井綾織りも、あま撚りの糸で織った織物で、長岡織物さんの品も凄く着やすいです。

《長岡織物の長井綾織り:あま撚りの織物》

この日は糸挽(のべひき)と機織りの作業を行っておられましたが、加藤さんでは糸作り~機織りまで生地が出来るまでの全ての工程を外部に出すことなく全て自分の所で一貫しておられます。

のべひき~管巻き~のべつむぎ~かせ練~糸はたき~糊付け~かせしぼり~かせくり~整経~管巻き~機織り

(全ての工程を加藤さんで行われています)

これら工程を一貫でされて出来上がった加藤手織り牛首紬ですが、よく「釘抜き紬」と言われますが、それらのいわれ等も聞きたく、社長さんと奥さんに色々と質問などしながら、加藤さんが作る牛首紬の魅力についてお話しました。

「釘抜き紬」という表現についてのいわれは様々なようで、どれも同じように、「布に打ち込んだ釘を引っ張っても、破れずに釘が抜けた」というようなことで、それだけ丈夫な生地だということです。

それよりも印象的だったのが、先に述べました緯糸(玉糸)を「あま撚り」にして織っているので、あれだけ丈夫で分厚い生地なのに、「通気性がある」ということでした。

撚りの強い糸で、打ち込みも強くした丈夫な織物は、通気性が悪く重たくて疲れるということを耳にするのですが、丈夫なのに通気性があるというのは、着物を着る人にとって本当にうれしいことです。

もう一つ言われて印象的だったのが、実際に加藤さんの牛首紬を着物にして着られている方が言われた、生のご意見を聞いたことです。

その方は、加藤さんの紬を昔に誂えて何十回と着用されてるのですが、「着れば着るほど、体に馴染んでいき、着心地がよくなっていきます」というようなことを言われてたということです。

何十回も着ているということは、クリーニングも何度もされていることになります。牛首紬はあま撚りのヨコ糸なので、最初は全体に糸が毛羽立っているのですが、着用てクリーニングを繰り返しているうちに、糸の毛羽立が取れていくんです。毛羽立が取れた着物の表面は見間違えるような光沢を放ち、古くなれば古くなるほど新品に見えるような輝きを放つようになります。

それは綸子(繻子)のような光沢だそうです。

それだけ何十回と着まわしても破れたりしない丈夫さがあるからこそだと思います。

手織り牛首紬は高価ではありますが、それだけ着回すことができ、着れば着るほど新品のような光沢が生まれ、通気性があって更に体に馴染んで着やすくなるということを考えると、高いだけの価値があるのはモチロン、決して高くないとも考えられます。

加藤手織り牛首つむぎの着物を持っておられる着物ユーザーの方々は、タンスにしまうだけでなく、どんどん着用して、その魅力を体感して頂ければと思います。

今回の訪問に際し、加藤手織り牛首つむぎの社長さん、奥様、働く皆様に改めて感謝したいと思います。

それと同時に、この牛首紬の魅力を、より多くのユーザー様に広めていきたいと思います。

【京都wabitas牛首紬コーナーはこちらから見れます】

着物通販サイト京都wabitas(ワビタス)

牛首紬の加藤改石さん

2022年9月30日 9時42分

誰もが知る牛首紬ですが、京都wabitasでは、加藤手織り牛首紬の「加藤改石謹製」白生地を染めています。

只今ウェブサイトでは、この生地を染めた反物を揃えています。

加藤改石さんの逸品の素材感を最も表現したく、柄物などの友禅染ではなく、シンプルに無地を染めて牛首紬の色無地着尺として扱ってきました。

ウェブサイト及びショールームには14色の牛首紬の反物が揃っています)

以前6年ほど前に、メーカーとして当時の加藤機業場へ、商品を扱うに際して勉強をしに行かせて頂いたのですが、加藤改石さんはじめ、加藤さんのご家族の皆様と現場の職人の皆様全ての方が、温かく迎え入れて頂いたのを覚えています。糸繰~全ての工程を見せて頂いたと共に、いろんなお話を聞かせて頂いてたのを思い出します。

よく「釘抜き紬」というように教材にも載っていますが、それは売り文句の言い方であって、本来は使っている糸や手作業の工程などが特徴だということを、現場を見て勉強させて頂きました。

(特に緯糸に使っている玉糸の扱い量が、他の紬とは比較にならないことが加藤さんの紬です)

(左の大きい繭が玉繭で、そこから引いた座繰り糸を緯糸に使ってます)

御年100歳の加藤改石さんでしたが、2022年7月にお亡くなりになられたそうです。

100歳まで生きられた大往生で、素晴らしい人生を過ごされたのだろうと思うと共に、心からご冥福をお祈り申し上げます。

これからも加藤改石さんの想いがこもった牛首紬を扱えることに感謝して、着物ファンの皆様、牛首紬

ファンの皆様に、お役にたって、お喜び頂けるように、今後もより一層頑張ってきたいと思います。

着物通販サイト京都wabitas(ワビタス)

【新色】加藤改石謹製:牛首紬色無地のお知らせ

2022年3月4日 15時43分

牛首紬の色無地に新色が染め上がりましたので、紬のコーナーに追加いたしました。

現在、取り揃えている牛首紬の色無地9点と同じく、「釘抜紬」といわれた加藤機業場さんの加藤改石謹製手織り紬を使っています。

新しく追加した色は5色で、現在ある9点を含めて14点となりました。
それでは、新色をご紹介いたします。

■ 牛首紬:加藤改石謹製 ≪クラシックターコイズ≫

クラシックなターコイズグリーンに染めました。

■ 牛首紬:加藤改石謹製 ≪ヒヤシンスブルー≫

藤色とブルーの中間色といえるレトロでアンティークな色に仕上がりました。

■ 牛首紬:加藤改石謹製 ≪レトロなアプリコットピンク≫

サーモンピンクに近い色に染め上がっています。

■ 牛首紬:加藤改石謹製 ≪シルバーグレー≫

カジュアルなシルバーグレーに染め上がっています。

加藤機業場の牛首紬を染めると、原色より何割かは色が薄く染まります。しかし、節にたまる色溜まりは原色のままで、地色は薄めに節が濃くという感じで、いい感じに濃淡が生まれて最高の染め上がりとなりました。

■ 牛首紬:加藤改石謹製 ≪レトログレー≫

さらにシックでレトロな色を出して染めて頂きました。

節糸に染溜まりが出来て、レトロな色にカジュアル感ある仕上がりになっています。

色無地は柄が無い分シンプルなので、着物の素材感が最も活きてきます。牛首紬となったら尚更ですね。

全色すべてショールームでご覧いただけますので、ご希望の方はご予約をお願い致します。

着物通販サイト京都wabitas(ワビタス)

加藤改石謹製牛首紬の色無地「新色追加」のお知らせ

2021年1月15日 17時16分

牛首紬の色無地に新色が染め上がりましたので、紬のコーナーに追加いたしました。

モチロン「釘抜紬」といわれた加藤機業場さんの加藤改石謹製手織り紬を使っています。

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新しく追加した色は7色で、現在ある在庫を含めたら全9色になりました。それでは新色からご覧ください。

■ 加藤改石謹製牛首紬の色無地 ≪ラセットブラウン(茶)≫

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渋い色を何度も地入れするなどして苦労して引き染で無地に染めました。

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節糸に染溜まりが出来て、レトロな色にカジュアル感ある仕上がりになっています。

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■ 牛首紬:加藤改石謹製 ≪レトロブラウン(焦茶)≫

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さらにシックでレトロな色を出して染めて頂きました。

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紬らしくオシャレで重厚な色に染め上がっています。

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この色を更に深みを出して少し紫掛かった感じが次の色です。

■ 牛首紬:加藤改石謹製 ≪チャコールパープル≫

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シックで粋ですね、それにレトロ感もありオシャレです。

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打ち込みの強い加藤改石謹製牛首紬の生地を、ここまで濃い色に染めるのは本当に一苦労なんです。

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「よくここまで綺麗に染めてくれた」と引き染職人さんに改めてお礼を言いたいです。

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ここまで茶系の3色をご紹介させて頂きました

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次はすこしづつ色が明るくなっていきますよ。

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■ 牛首紬:加藤改石謹製 ≪レトロパープル≫

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藤色と紫色の中間色といえるレトロでアンティークな色に仕上がりました。

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この着物に紅型染をはじめ帯の逸品物を合わせると素敵なコーディネートになること間違いなしですね。

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最大の特徴の節の色溜まりで、「これぞ紬」という感じに荒々しくカジュアル感溢れる仕上がりです。

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次もさらに明るくなりますよ、でもレトロ感は変わらずです

■ 牛首紬:加藤改石謹製 ≪アンティークグレー≫

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淡いシルバーグレーを染めてみたところ、想っていた以上に上品に、それでいてカジュアルに粋な染め上がりになってくれました。

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加藤機業場の牛首紬を染めると、原色より何割かは色が薄く染まります。しかし、節にたまる色溜まりは原色のままで、地色は淡く節が濃くという感じで、いい感じに濃淡が生まれて最高の染め上がりとなりました。

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グレーというと中年配向きと思われそうですが、この紬なら若い方でも、中年の方でも、ご年配の方でも着こなして頂けると思います。

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グレーの次はブルーです

■ 牛首紬:加藤改石謹製 ≪レトロなスカイブルー≫

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良い感じにブルーグレーが綺麗に染まりました。アンティーク調のスカイブルーで素敵な色です。

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この色もグレー同様に濃淡ができてオシャレです。

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ブルーに続いてはグリーン系です。若草系のグリーンも牛首に染めるとレトロな感じに仕上がります。

■ 牛首紬:加藤改石謹製 ≪レトロな若草グリーン≫

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シンプルな若草緑の中間色ですが、なんとも言えない魅力ある色ですね。

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節の出方もこれまたカジュアル感溢れる粋な仕上がりです。

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良い感じの着物になること間違いナシですね

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金茶の帯、白の帯、ベージュの帯、黒の帯など、なんでも合いそうなので、色々合わせてみたいですね。

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以上の7色が新しくワビタスのサイトに登場しました。

前回に5色発売して1ヶ月で3色が完売して在庫に2色残っているので、全部で9色です。

■ 牛首紬:加藤改石謹製 ≪モスグリーン(渋い黄緑)≫

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■ 牛首紬:加藤改石謹製 ≪アンティークボルドー≫

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そして、1番に売れてしまったのが次の緑色です

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やっぱりいい色です

色無地は柄が無い分シンプルなので、着物の素材感が最も活きてきます。牛首紬となったら尚更ですね。

着物通販の京都wabitasでは、ウェブサイト及びショールームで牛首紬を揃えています

この牛首やそれ以外の良質な紬なども含め、2月に京都で開催される着物メーカーファミリーセールでもご覧頂けます、お気軽にお越しください。

着物通販サイト京都wabitas(ワビタス)

牛首紬:加藤改石謹製手織り紬の色無地

2020年12月10日 17時10分

紬のコーナーに牛首紬を染めた色無地着尺(反物)が新しく5色追加されました。加藤機業場の紬で、無形文化財指定:加藤改石謹製の正真正銘手織りの牛首紬を染めた、レトロ感溢れるおしゃれな紬の色無地です。

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色は全5色で、全ての色を着物スタイリストさんが厳選して出した色で、染め上がりはレトロ感溢れる紬らしい素敵な色に染まりました。

■ 牛首紬:加藤改石謹製 ≪アンティークボルドー≫

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玉繭から引いた玉糸は、節の出方も独特でカジュアル感ある紬になりました。

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スタイリストさんが選んだ色だけに、言葉では表現しにくい、魅力ある色です。

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次の色もレトロ感ありシックにカジュアルな色に染まっています。

■ 牛首紬:加藤改石謹製 ≪グレイッシュパープル≫

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グレーにも近く、それでいてパープル系のシックな色です。

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改石さんの素晴らしい紬を、スタイリストさんがおしゃれにアレンジしてくれました。

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次も素敵な色で、濃色のシックなグリーンの色無地です。

■ 牛首紬:加藤改石謹製 ≪ブリティッシュグリーン≫

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濃色は紬のレトロ感が最もでるので、この深みある緑も正にそれです。

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手織りの紬ならではの生地肌のムラ感がたまらなくオシャレですね。

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もう1色のグリーンは、黄緑系を渋くレトロにした独特なモスグリーンです。

■ 牛首紬:加藤改石謹製 ≪モスグリーン(渋い黄緑)≫

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中濃度な色合いの緑なので、玉繭の節にできる色溜まりと、生糸(単繭)の色に濃淡の違いが出て、紬感がハンパないです。

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レトロでアンティークな色なので、若い方~ご年配の方までオシャレに着こなせる色です。

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そして最後の色が最も紬らしさがあるベージュ系の色です

■ 牛首紬:加藤改石謹製 ≪ベージュブラウン≫

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生成りでもなく、金茶でもないベージュ系ブラウンなので、癖が無くシンプルに着こなせる色です。

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改めて加藤機業場の牛首紬について解説させて頂きます。

石川県南部の白山市の山間の村で生み出される牛首紬は、加藤機業場さんと西山産業さんの二つの機場で作られる紬で、白山紬とも言われます。

着物通販を展開する京都ワビタスの牛首紬は、全て加藤機業場さんが織られた手織りの紬を使用しています。

その特徴は、使っている糸、御年99歳の加藤改石さんが今も尚作業されるかせ練りという手作業の練り、牛首紬独特の「糸はたき」という工程など全て加藤さんでならではの工程により出来上がった生地は、よく「釘抜紬」などとも呼ばれるように丈夫な質感です。

【特徴1:糸】

その特徴の一つでもある糸ですが、緯糸には二頭の蚕が作った玉繭60個から直接手でひいた玉糸を使っています。玉繭は、単繭がが作った繭と比べて糸が複雑に絡み合い、うねりが強く独特の節が出るため、躍動的な紬ならではのカジュアル感を作り出します。まわたを紡ぐのではなく手で挽くことにより、絹糸独特の真珠のような光沢感が生まれます。玉繭は2頭の蚕が吐いた糸が不規則に重なり合っているため製糸工程で高度な技術を要します。加藤さんでは単繭を経糸に、玉繭を緯糸に使用されています。

〈右が玉繭、左が単繭〉

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【特徴2:織り上がりまでの工程】

1、製糸(のべびき)

繰糸釜の湯に繭を浮かべ、経糸は約単繭80個、緯糸は玉繭60個から1本の糸を挽き出します。

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糸の太さを揃える技能を要する仕事であり、それらは製糸の熟練工の経験から生まれる技術に任されています。

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加藤さんが使用されている製糸機は、明治初期に入ってきた形そのままの座繰り製糸機です。

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2、管巻き

のべ枠から管に巻き取る工程で、昔は1本1本で巻き取っていましたが、現在は管巻器により、1度に12本巻き取る方法を取られています。昭和初期頃に動力に変わり、複数本とれるようになりました。

3、のべつむぎ

管から引き出した糸にゆるく「より」をかけながら大枠に巻き取り「かせ」をつくります。経糸2400m、緯糸3000mを1かせとし、枠を外してから乾燥したものを「がらがせ」と呼びます。

4、糸練り

生糸はタンパク質であるフィブロインとセリシンの2重構造になっています。精練はご存じのようにセリシンを取り除きフィブロインが絹の感触と光沢を生み出す作業のことです。石鹸と重曹を用いてセリシンを煮溶かしたあと、糸に残ったセリシンや石鹸をきれいに落とすために、水洗いし脱水します。今もされているかは分かりませんが、この糸練りの工程を加藤改石さんがされていました。今から約9年ほど前に見学に行かせてもらった時は、改石さんは90歳でしたが手作業で糸にお湯か水をかけながらセリシンを落とす「かせねり」という工程をされていました。

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5、糸はたき

牛首紬が「釘抜紬」といわれるくらい丈夫でしなやかなのは、この「糸はたき」という加藤さんならではの工程があるからかもしれません。糸を何度もしゃくるようにはたいて、1本1本の糸にさらなる空気を吹き込みます。

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この作業により蚕が糸を吐いた時のうねりを取り戻し配列を整えます。工程の間に何度も行うことにより真珠のような光沢の糸が更に輝きを増した独特の光沢と、ふんわりとした触り心地が生まれてきます。

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6、糊付け~管巻きまで

経糸は織機にかけた時「うわそ」と「したそ」に分けてかみ合います。その間を緯糸が通るので、滑らかにして通りやすくするため、経糸に糊付けをします。糊の原料になる米の粉を煮込み糊を作ります。そこに糸を浸して手でまんべんなく糊を付けていきます。

糊付けされた糸を「かせしぼり器」を用いて、まんべんなく糊を絞り取ります。そして「かせくり」(糸を巻き取る作業)した糸を「整経」(経糸を整えて巻き取り)と「管巻き」(織機にかけるため緯糸を小さな管に巻く作業)をして、機織りの用意が出来上がります。

7、機織

「へ」に通した経糸は両足交互の足踏みにより「うわそ」「したそ」に分かれて口が開き、その中を緯糸を巻いた管を差し込んだ「杼(ひ)」が1回飛ぶごとに、左手で握った「かまち」で打ち込みます。

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両手両足の力配分、タイミングが牛首紬の風合いを作り出します。

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伝統工芸士の織子さんがいったん織り出すと「ぱちん、ぱちん、ガコン、ガコン」とリズミカルに機を織る音が響き渡ります。それでも複雑なうねりのある玉糸を緯糸にしているので、スグに

機を止めて糸を整えて再び織り始める、それの繰り返しです。

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一日にほんの少ししか織れませんが、織り上がった生地は、「無形文化財指定、加藤改石謹製」という判と「牛首紬検査の証」という判が押されて出荷されていきます。

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そんな加藤改石謹製の牛首紬をシンプルに無地に染めて今回ご紹介している反物が出来上がりました。

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何度も申し上げますが、牛首紬は太くて節のある玉糸で織りあげるのが特徴で、節が多く白生地で見る時よりも染色した後のほうが、素朴でレトロ感とカジュアル感溢れる独特な優雅さが浮かび上がります。

加藤機業場で織られた牛首紬も、説明したように打ち込みが強いため、無地染とはいえ染めるのも難しく、一度から2度くらい地入れ(湯通し)して染付を少し良くしてから染めないと綺麗に染まりません。

今回は5色とも凄く完成度の高い染め上がりとなりました。

「着物は紬」という紬好きな方にはたまらないハイグレード・ハイクオリティーな紬のおしゃれな色無地着尺です。

本品は、着物通販サイト京都wabitasの【紬・綾織りコーナー】に出させて頂いております。白鷹板締め絣お召しと並び高級紬がご覧頂くことができます。

京都三条にあるワビタスショールームでは、この牛首紬をはじめ高級紬着尺などサイトの商品を常設しております。現品を一度直に見てみたいという方は、気軽にご予約下さい。

着物通販サイト京都wabitas(ワビタス)