4月、5月、6月と夏に向かって近づいていく時期の着こなし方が、年々難しくなっています。
4月はまだ袷を着るのですが、日によっては汗ばむ陽気になったり、異常気象により突然暑くなったりして、袷の着物+長襦袢では汗だくになることも考えられます。
となると少し早いのですが単衣着物を着ることになるのですが、実際に着こなせるのは短期間なので、わざわざ誂えるのが勿体ない気もします。
女性のキモノは最近生産者も単衣を意識するようになり、色々な新しい素材でできた着物があるので、バリエーションにとんだ選び方ができるのですが、紳士物となると種類な無いので、探すのが大変です。
今まで男物でしたら御召しや紬の反物で単衣着物を創るのが一般的な感じです。それ以外なら紋意匠のような白生地を染めた染物などもあるのですが、これら全て5月・6月、9月の3ヶ月しか着こなしができませんでした。
女性物なら5月~10月を通して着こなせそうな生地があるのに、男物にはそんな重宝する生地が作られていない。
男キモノを沢山扱う京都wabitasでも昨年までは同じ状況でしたが、今年は違います。
わざわざ男性キモノ用に幅の広い生地(反物)で、薄物に近い通気性とシャリ感を併せ持った正絹の縮緬地を織って、新しく男の単衣着物用染着尺を創りました。
高級ちりめん産地でもある滋賀県長浜で誂えた「単衣用の特選浜ちりめんキングサイズ着尺」です。
長浜の白生地メーカーで機屋さんでもある名店:河藤株式会社さんで織って頂いた高級浜ちりめんです。
普通の38cm幅は婦人物用として色々な所が扱われてきたようですが、男性用に幅41.5cmにして作ったのは初めての、特別に誂えて織ってもらった白生地です。
紗のような透け透けの生地では無く、ちりめんの特徴を用いた特選一等級の生地になります。
水撚り八丁撚糸を経糸に使った「ジョーゼット風の変わり縮緬」なので、760gあるとは思えない軽さとシャリ感のある風合いを持ち合わせた、単衣~夏に着こなせるちりめん地です。
そんな高級単衣用ちりめん地を京都で染色加工して染め上げて、男の単衣着物(長着)におすすめの品を新しくサイトに出させて頂きました。
初めての生地なので、染めたサンプルも何も無いので、今回は各色サンプルとして誂えで染めてみました。
初回ということもありますので、サンプル品扱いの特価でご用意させて頂きました。
■ 創作男の正絹単衣きもの(反物)単衣~夏仕様 ≪特選浜ちりめんお誂え品二度引き染「サンプル品特価」≫
このように透かして見ると縮緬なのに薄っすら透け感があるのですが、男キモノらしく無地に染め上がりました。
この無地の染め方は一度薄めに色無地を引き染て、その上から重ね引きで墨色を無地引きした、二度引きによる無地染加工です。
※シックなグリーン
同じように2度引きで墨を無地引きして染め上がった色無地で、やや緑掛かって渋く深みある色になりました。
無地以外にはボカシ染友禅でもサンプルで染めてみました
殆ど無地にしか見えないようですが、色を薄っすらと変えたボカシ染になっています。
次の色ならボカシの具合が良く分かると思います。
両サイドが墨で中央に寄るにつれて色が薄くなるタテボカシ友禅です
次は中間色
※グレーに藤グレーの濃淡ぼかし
もう1色
このようなタイプで染めてみましたが、この品の特徴は生地です。
この生地なら男性でも5月、6月の単衣はモチロン、下に着る長襦袢を夏素材に代えれば7月、8月の初夏~盛夏、残暑厳しい9月の秋単衣、10月の残り単衣まで6か月を通してご利用頂くことができます。
昔の暦でしたら10月~5月の8ヶ月間が袷の期間で、6月と9月の2ヶ月が単衣、7月と8月が夏ということでした。
しかしながら、今や単衣期間が6ヶ月、袷の期間が6ヶ月というくらい温暖化による異常気象のため、年々単衣の需要が増えています。
今回の高級浜ちりめん男の単衣着物(反物)のような重宝する品ができたことにより、男性の単衣に対する対策に幅ができたと思います。
夏にも着こなせるこの浜ちりめん男着尺は、着物通販サイト京都wabitas(ワビタス)の「男の着物コーナー」でご覧頂けます。
京都wabitasでは男キモノ用に御召し、紬、色無地やぼかしの染着尺など沢山の反物を揃ています。
今回の品物も含めて、実際の現品を見て触ってみたいという方は、ショールームで全てご覧頂くことができます。
ご覧頂きたい方は、ショールーム来店予約をお申込み下さい。
着物通販サイト京都wabitas(ワビタス)