月別記事一覧2019年4月

麻キモノ:麻着尺2019

2019年4月25日 12時59分

着物通販サイト京都wabitasでは「夏の着物は麻」を毎年言い続けています。

麻着物というと小千谷ちぢみ、各産地の上布などありますが、ワビタスは近江ちぢみ一筋で麻100%の本麻着尺を毎年増やして取り扱っています。

元は男性用麻キモノとして取り扱い始め、女性の方からの要望が凄く増えて男性でも女性でも、どちらの方でもお使い頂けるような無地感中心な品揃えです。

麻キモノは浴衣のように流行りが無く、毎年のように着こなして頂けて、自宅で洗濯することも出来るので、夏に凄く重宝する着物として需要は高まるばかりです。

2019年も暑い夏が来ること間違いナシなので、新色など含めた今年のライナップをご紹介致します。

IMG_5733

まずその前に、なぜ麻が夏に相応しいのか素材の特徴から復習します。

【麻の特徴】

麻の魅力は何と言っても涼しくシャリ感のある肌触りです。吸湿性、放湿性、熱伝導性は天然繊維の中で最も優れています。肌に密着しないので、汗でベトついたり、蒸れることもありません。湿度の高い日本の夏には正に最適な繊維なんです。

水分を吸収しやすいのと同時に、発散も速く、乾燥性に優れているのが嬉しいです。その繊維は通気性の良いサラッとした肌触りです。熱伝導率が大きいので、体熱を外へ逃がす働きは素晴らしいです。

天然の抗菌性があり防虫効果もあり、絹やウールに綿など他の天然繊維と比べて保管が安心ですし、強度も一番強いです。特に濡れると強度が増すことから水に強い繊維なのです。

接触冷感も麻に優る繊維はありません。新幹線では全ての座席の背もたれカバーに麻を使用しているなど、長時間触れていても蒸れることなく快適に過ごせるのです。

こんな夏に適した繊維を使い着物や長襦袢に肌着類を作り京都wabitasは扱っています。

その代表商品で本麻近江ちぢみの着尺がこちらです。

まずは定番色は今年も引き続き継続してございます。

■ 麻着物:本麻着尺(反物) ≪ライトブルー≫

900776i

ライトグリーン

900775r

グレー

900778u

ラムネブルー

900777t

サンドベージュ

IMG_9936

レトログリーン 

900781c

以上の人気の無地タイプに 2019年の新色が加わりました

 麻着物:本麻着尺(反物) ≪レトロな紫≫

IMG_7532

渋い色に見えますが、多色撚糸のトップ染の糸を使って織っているので、色合いが凄く素敵です

IMG_6407

■ 麻着物:本麻着尺(反物) ≪2019グリーン≫

IMG_7545

少し濃い目のグリーンです。これもトップ染の糸なので近く見ると色々な色が入っていてオシャレです。

IMG_7546

IMG_6390

■ 麻着物:本麻着尺(反物) ≪ラムネ2019新色≫

IMG_7552

涼し気なラムネカラーですが、少ししっかり目の色合いになっているので、若い方から年配の方まで着こなせそうです。

IMG_7558

IMG_6401

そして涼し気な淡い色目を今年は2色加えました。

■ 麻着物:本麻着尺(反物) ≪生成り≫

IMG_7577

レトロで優し気な色合いは、夏に涼しさを感じさせる色です

IMG_7580

IMG_7243

男女兼用の反物なので、男性向きかもしれません

IMG_7241

もう1色

■ 麻着物:本麻着尺(反物) ≪白墨モノクロ≫

IMG_7566

白に墨や薄茶系の糸が絡んでいる一番白に近い薄色です

IMG_7573

男女共に粋です

IMG_7472

ピンクもあります

IMG_7477

あと2色は男性向きな渋めでシックにカジュアルな色です

■ 麻着物:本麻着尺(反物) ≪墨グレー≫

IMG_7527

男性向きの墨グレーですが、実は女性の方が最近はこんな渋い色を好まれるんです

IMG_7259

もう1色

■ 麻着物:本麻着尺(反物) ≪レトロブラウン≫

IMG_7537

織物でないと出来ない色です。

IMG_7544

墨グレー同様に男物だけでなく女性にも着こなしていただけるレトロな色です

IMG_7272

以上が2019年の新色です

この他に、定番の縞やストライプも素敵です

900827r

IMG_7124

IMG_7142

IMG_7146

IMG_9962

IMG_7137

IMG_9854

IMG_7282

IMG_9952

IMG_7467

そして粋な黒の無地も人気です

.IMG_2565

900831r

このように昔も今も変わらぬ雰囲気を漂わせる本麻近江ちぢみを夏の着物として今年も揃えていきます。

着物通販サイト京都wabitas(ワビタス)

ゴールデンウィーク休業期間のお知らせ

2019年4月19日 8時59分

いつも着物通販サイト京都wabitasをご利用いただき、誠にありがとうございます。

誠に勝手ながら下記の期間、本部営業及びショールームを休業とさせて頂きますので、ご案内申し上げます。

休業期間 2019年4月27日(土)~5月6日(月祝)
※5月7日(火)より通常通り営業いたします

なお、休業期間中4月27日(土)~5月6日(月祝)のご注文に関しては、
5月7日(火)にメールでお知らせして5月8日(水)から順次発送させていただきます。

休業期間中にいただいたお問い合わせも、5月7日(火)から返信させていただきます。
ご迷惑をお掛けすることと存じますが、何卒よろしくお願い申し上げます。

着物通販サイト京都wabitas(ワビタス)

新商品:薄物羽織染着尺「駒紗の籠注染」マジョリカ模様「男の羽織にも」

2019年4月18日 13時17分

5月~10月に紳士物・婦人物どちらでも羽織ることができる薄物羽織用染着尺の新商品のご紹介です。

まず薄物素材の生地ですが、最上級品の五泉で織った高級駒紗を使っています。

IMG_7868

京都wabitasでは男性のユーザーが多いことから、生地幅41cm以上のキングサイズ幅にしてます。五泉の駒紗は質感が凄く良く他産地の生地とは比較にならない程です。

IMG_7869

この生地を使って染めるのですが、見て頂いて分かるように隙間だらけの生地は、風通しがいいという点ではありがたいのですが、染める側からすると凄く厄介な生地なんです。

型友禅や手描き友禅などの技法では、下に染料が落ちてしまい染めるのが大変なのと、生地幅が42cmあるのでピッタリはまる型がありません。

なのでこの生地を使って染色するには無地染などの浸け染技法に限定されてしまいます。

それでは色無地限定ということになってしまいます。

そこで京都中の染屋さんで、この生地に対応できる染技法がないか探しに探し二つの友禅染が見つかりました。

その一つは墨流し友禅です。

IMG_2144

これは昨年2018年に出して凄く評判が良く売れました。モチロン今でもショールームでは継続して扱っています。

墨流しだけでは寂しいので、今年に探し当てたのが今回ご紹介する籠注染マジョリカ友禅染です。

どんな感じかというと次の画像を見て下さい。

2505045d7505046f7505047b

なんとも幻想的な色使いで、マジョリカ風にオシャレな色彩の友禅染です。

■ 男物駒紗薄物羽織地 ≪マジョリカ籠注染≫【男の着物:夏物コーナーから】

250504025050412505042250504325050442505045

生地は透け透けで薄いため、普通に写真を撮っても模様が映らないため、長方形の黒の紙をバックに入れて撮影しています。

荒々しい模様にシックな色とカラフルな色が混ざり合っている幻想的な友禅染です。

2505040c2505042a2505043c2505045b

羽織の下になる着物が黒っぽい色なら、マジョリカ模様がハッキリと浮かび上がりますが、薄い色で特に白やクリームなど発色の鮮やかな色の着物が下になると、模様は薄っすらと透明感あるように映ります。

2505045f7505046d7505047b7505048f

この幻想的な京友禅技法は昔から「籠ローケツ」と呼ばれてきました。

ローケツというので、「ローケツ染なの?」と疑問が浮かぶと思いますが、ローケツ染ではなくローケツ染をしたような仕上がりという意味から、「籠ローケツ」と業者間では愛称のような感じで言われています。

では、「籠」という名前はどういうことなの?という疑問も湧きます。

それをこれから染技法を含めて工程を見ながらご紹介させて頂きます。

まず最初にこの染色技法ができるのは、京都で一人だけ、イヤ全国で一人だけしかおられないようです。

名前は伏せさせて頂きますが、御年90歳を超えて今も尚染色を続けて頂いてる絞り染の伝統工芸士さんです。

その伝統工芸士から生まれる染技法は主に注染です。

IMG_7507

注染でどのようにすれば、あの見事な模様が出来上がるのか、ご覧下さい。

この染色は全てこの伝統工芸士さんの一貫作業です。

まずは白生地の糊抜きから

1

次に色創りです。絞り染職人さんの染色はボイラーで沸かすお湯ではなく、昔ながらの釜炊きしたお湯を使います。

IMG_74934

でないと、注染の良い仕上がりが出来ないそうです。このお湯を染料の入った桶に注ぎます。

68

こうして染料にお湯を注いで色が出来上がりますが、

9

絞り染同様に籠ローケツも酸性染料を使いますので、お酢を加えます。

10

このように1色の染料が完成します。この染料を生地に注染するのですが、注染する前の生地の準備が大変で、職人でないとできません。

その技法がこちらです。

既に一度染料を注いで染まった状態からの写真撮影になりましたので、色付きの生地でご覧下さい。

IMG_7490

ご覧のように長方形の板のような1mくらいの型に、13mある生地を細かく指で絞るように畳んで詰めていきます。

IMG_7491

この時の指の動きが凄いんです。親指を除いた4本の指がバラバラに動いて、1本1本の指がそれぞれ別の生き物のように動いているのが分かりました。このバラバラの動きにより詰められていく生地が、ゆらゆらと波がうねるようになります。

IMG_7494

実際この時に私も体験させて頂いたのですが、私のような素人がやると波のようなうねりができず、真っすぐ均等に近い横筋の状態になってしまいます。

IMG_7494

出来上がった状態がこんな感じです。

↓  ↓  ↓  ↓

IMG_7495

この畳んだ状態の生地に、先ほど作った染料を特性如雨露のような柄杓で何度も何度も注いでいきます。

IMG_7487IMG_7507IMG_7508IMG_7510IMG_7509

注染したら水洗容器に入れます。

IMG_7512

余分な灰汁などを洗い流すと共に、色を定着させます。

IMG_7513IMG_7516

出来上がったのが下の写真で、つまんだシワと共に色が付いて模様を出します。

IMG_7514

この工程を色数分繰りかえして完成となります。2色なら2回、3色なら3回、4色なら4回ということです。

2505041b

殆どが3回~4回(3色~4色)の工程と思います。

7505046c

出来上りがこのようなマジョリカ模様に色々な色が入って仕上がるのは、職人さんの指の動きから生まれるんです。

この染は1回1回仕上がりが異なり、同じモノは出来上がりません。

なので、1反1反がそれぞれ誂えというか、この世に1点しかない反物になります。

それともう一つの疑問「籠」という名が付くのは何故ということですが、その答えはこちらです。

3

先程生地を詰めていた型は、実は長方形の籠になっているんです。

2

籠でないと何度も注がれる染料が下に流れずムラになるか無地染になるのですが、底に溜まらず下に流れていくので、各色がそれぞれ色んな見え方で残って、この幻想的な仕上がりになります。

この籠ロウケツ(実際は籠注染)は、昔は長襦袢の下地などに使われていましたが、この技法を今回は夏場にも羽織れる薄物羽織用に使ってみました。

癖が強い染ではありますが、透け感が強い生地なので、凄く透明感ある染め上がりになっています。

写真画像ではこの染め上がりの良さがなかなか写し出せませんが、実物はすっごくオシャレで癖なく着こなせます。

実物の現品を見てみたいという方は、ご購入頂くかショールームへお越し頂ければ現品を実際に触ってご覧頂くことが出来ます。

男性用の羽織や、女性の薄物コートや羽織として素敵な創作逸品物です。

本品は希少な商品になります。未来永劫に継続していきたいのですが、ご紹介した御年90歳を超える伝統工芸士さんが活動を終えられましたら、後継者もおられませんので生産不可能となります。

魅力溢れる素晴らしい染の薄物着尺を羽織用に如何でしょうか。

(本品は男の着物:夏物コーナーでご覧頂けます)

着物通販サイト京都wabitas(ワビタス)