新作男着物:左志め織物五百機小紋「男着物展で展示」のお知らせ
2023年8月31日 12時17分9月15日(金)15時オープンの京都wabitas男着物展:東京南青山(表参道)決算セールでは、これまでお知らせしてきたように、この展示会には沢山の男物商品を用意していますが、先日ご紹介した栄時袴など新しく新商品として扱う商品も多数あります。今回ご紹介する着尺もその一つです。
米沢織物のメーカー左志め織物さんの逸品「五百機小紋」を、この展示会から扱うことになりました。
ご存じの方も多いと思いますが、左志め織物さんは元々米沢織雨コート地のメーカー(機屋さん)ですが、雨コート地の材料(糸)及び織機を活かして、今では雨コートだけでなく着尺や帯など様々な織物を作っておられる米沢を代表する織物メーカーさんです。
全てハイクオリティな商品ばかりなのですが、そんな左志めさんの扱われている商品の中で、この度の男着物展にあわせて、五百機小紋の男物用織物着尺を新しく揃えることにしました。
選んだのは青海鮫や万筋にお召十など格調ある柄のタイプをそれぞれ揃えました。
特に凄いと思ったのが、細かな万筋の江戸小紋着尺を織で作っていることです。
※万筋の織物男着尺:五百機小紋
凄く粋で、凄く繊細で、凄くいい質感に驚くばかりの作品です
普通の糸使いの織機で織ると、こんなに綺麗な反物に仕上がりませんので、丹後の機屋さんなどに頼むと、殆どの機屋さんが嫌な顔をされて、受けてもらえないので、はじめてこの反物を見せてもらった時に、凄く感激してしまいました。
シックで上品に粋な高級織物男着尺です
万筋は全て黒経糸ですが、緯糸の色を変えて3色ほどあります。
※青海鮫の織物男着尺:五百機小紋
こんな細かい模様をジャガード織機(紋織)で綺麗に織るなんて凄すぎます。
粋です
※四菱になった菱菊の織物男着尺:五百機小紋
万筋や青海鮫は経糸が黒でしたが、このタイプは白っぽい生成りの経糸で織ってるタイプを選びました。
裃文様の格調ある柄を織って光沢感が出ている男着尺ですが、男性だけでなく女性にもおすすめできる上品で格式ある織物着尺です。
※お召十文様の織物男着尺:五百機小紋
【黒の経糸】
そして【生成り経糸】
そして
【ベージュ系の経糸】
細かな地模様が光沢と相まってハイクオリティな織物に仕上がつています。
同じ模様ですが、経糸や緯糸が変わるだけで、それぞれ別ものになって、それぞれに良さを感じます。
裃文様は江戸小紋同様に格もあり、細かま小紋ならではの良さがあり人気です。
男性はモチロン、女性の方も好まれるタイプです。
※網代文様の織物男着尺:五百機小紋
最もカジュアル感ある小紋柄ですが、これだけ上品に仕上がるとセミフォーマルにも扱えそうです。
模様がくっきりしている分、光沢が綺麗ですね。
この網代模様は、焦げ茶もありますので、東京の展示会にお持ち致します。
主な柄はこの4柄で、東京の男着物展でお披露目させて頂きます。
機の専門的なことを詳しく述べると凄く長くなるので、商品が素晴らしいと感じたことや、特徴を簡単にご説明致します。
見た目の素晴らしさはモチロンなのですが、持った時に他の機場の織物と全く違う感じがしました。
しっかりした打ち込み(織)なのに、しなやかで柔らかく、何よりも軽いです。
軽いと言っても薄物のような軽さではなく、適度な重さと思って下さい。
それは、冒頭で述べたように、左志め織物さんが元々は雨コートだけを織っていた機屋さんだからです。
和装の雨コート地は、21中の上質の細糸で織るため、まるで羽二重のようなツルっとした艶のある織物です。
左志めさんの織物は、この男着尺も含め細い糸で織っているので、持った時の質感が凄く優しいのと、凄く丈夫なのに1反の重さが軽く、正に軽くて丈夫なんです。
確か説明では21中の糸を3本で織っているというように説明を受けたと思うのですが、その辺は省かせて頂きます。
【八丁撚糸を緯糸に使用】
そして、この男着尺は緯糸に八丁撚糸を織ってあります。
八丁撚糸というと、水をかけながら撚りを掛ける撚糸のことで、白鷹お召のようにシボのある御召に使われたり、縮緬に使われたりする強撚糸です。
鬼シボの縮緬や、白鷹お召など強撚糸を織った織物は、織り上がって湯もみをすることで、強撚糸の縮もうとする力で、独特の凹凸のシボが生まれるのですが、この五百機小紋も八丁撚糸を織っているのに全く凹凸のシボがないのです。紬のような無地織物のように表面にシボがなく絹の温もりを肌で感じられるような質感なのです。
何故かというと、五百機小紋に使用している緯糸(八丁撚糸)は、糸の段階で先に湯もみ(湯通し)して、織る前に糸を既に縮ませてあるのです。
鬼シボ縮緬などによくある特徴で、織り上がった後で生地が元の幅よりも縮んでしまうというデメリットがあるのですが、この五百機小紋は糸の段階で縮んでいるので、織り上がった後に縮むことがなのです。
しかも、八丁撚糸を使っているので、丈夫でしなやかな生地で、無地感なのにシワになりにくいという、正に上質でハイクオリティな織物なのです。
男性は活動することが多いので、丈夫で軽くシワになりにくいというワードが揃っているこの着尺は、正に男着物にうってつけなのです。
八丁撚糸を使った織物なので、いうなれば御召なのですが、御召独特のシボがなく、小紋柄を織っていることから、敢えてお召とは言わずに、五百機小紋と呼ばせて頂きます。
京都wabitasには沢山の男性ユーザー様がおられるので、全ての方におすすめしたい逸品です。
そんなハイクオリティな逸品を、まずは東京開催の男着物展で発表します。その後(10月~)は皆様に見て頂けるように、京都のショールームに常設していきますので、是非見に来て下さい。
以上、東京の男着物展で展示する米沢の左志め織物謹製男着尺:五百機小紋のご紹介でした。
男着物展のご来店お待ちしてます。