丹後ちりめんの正絹セミフォーマル長襦袢

2020年12月18日 13時34分

毎年新年を迎えるとホテルなどでは新年のパーティー、茶道会館では初釜式など新年ならではの改まった式典があります。

その時ばかりは着物姿が普段見るカジュアルな光景ではなく、訪問着や附下に色無地といったセミフォーマルな着物を目にします。

着物通販サイト京都wabitasでは、そんな高級フォーマルの下に着る用に上質な生地を使った高級長襦袢を揃えるようにしています。

今回ご紹介するのは、長襦袢用に織った一越の丹後ちりめんを使った特選の創作逸品長襦袢です。

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それともう一つは、八丁撚糸を織り込んだ変わり織の綸子の定番長襦袢です。

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どちらの長襦袢も丹後の機で織られた高品質の長襦袢で、高級訪問着の下に着る長襦袢としてふさわしい商品です。

今回は丹後の長襦袢を基にした丹後の織物情勢の説明も含めて商品紹介させて頂きたいと思います。

ワビタスで扱う正絹略礼装長襦袢の国産品は今回ご紹介する丹後で織った品と、石川県小松で織った綸子の長襦袢があります。

小松と丹後の違いを分かりやすく言うと、丹後の場合は「丹後ちりめん」が代表例ですが、1反物を織る小幅織機なのに対して、小松の場合は主に2反を一度に織る二幅織機で生産されます。

小幅ジャガード織機と二幅ジャガード織機では、耳もしっかりとしているのと、反物自体の打ち込みも小幅の方が少ししっかりしています。

小松は殆どの機が長襦袢を織り産地なのですが、丹後は逆で主に表地(着物地)を織るのが主な産地です。

長襦袢は表地と違い細い21中の糸を使うため、大量に織らないと機屋さんの採算が合わないことから、ここ5年ほどで長襦袢を織る丹後の機屋さんは激減してしまいました。今では探してもないくらいほんのわずかの機屋さんしか長襦袢が織られていないのが実情です。

「もっと長襦袢を織ってほしい」と頼むと、機屋さんの意見としては、長襦袢を織るのも表地や帯を織るのも同じ工程で労力も同じなので、「表地と同じ価格で織っていいのなら織る」というのが、現在残っている丹後の機屋さんの声です。

それで以前は長襦袢も織っていた機屋さんが、帯や表地へとシフトチェンジしたり、もう一つは廃業されているケースが後を経ちません。

それだけに以前は普通にあった丹後製織の正絹長襦袢は、現代では凄く貴重な商品になってしまいました。

それは着物がフォーマルからカジュアルに変化していってるのも絡んでいます。

しかしながら、そんな状況でも京都wabitasでは質に拘って国産の長襦袢を扱うように継続してきました。

本日ご紹介する丹後縮緬の長襦袢を含め、良質な高級正絹長襦袢をリーズナブルな設定で揃えていきたいと思います。

■ 特選丹後ちりめん長襦袢(一越ちりめん580g) ≪薄黄と若草の遠山重ね≫

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着物地ならば720g~780gで織る一越の縮緬を、長襦袢用に580g規格で織ったハイクオリティーな生地の長襦袢です。

染めも手描きを含めて全て手仕事の友禅染になります。上品な配色で落ち着きある仕上がりになっています。

■ 特選丹後ちりめん長襦袢(一越ちりめん580g) ≪ピンクにクリームの流水≫

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もう1色グレーにクリーム

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■ 特選丹後ちりめん長襦袢(一越ちりめん580g) ≪グレーとベージュの霞≫

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■ 特選丹後ちりめん長襦袢(一越ちりめん580g) ≪薄黄とサーモンの遠山重ね≫

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経糸・緯糸共にランクの高い生糸を使っているので、触っただけで着やすいのが分かります。特に縮緬なので緯糸には八丁撚糸を用いてあるので、上品にシボのある特選長襦袢地です。

そしてもう1タイプの丹後の正絹長襦袢は、今では定番生地となった五重織り丹後紋綸子変わり織を染めたボカシ染長襦袢です。

■ 国産丹後五重織長襦袢(八丁撚糸使用) ≪梅詰め彩りぼかし水色≫

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変わり織の紋綸子という高級感に加え、緯糸に八丁撚糸を使いシボがあり少しヨコに伸縮性が生まれ、綸子なのに丈夫な生地に織り上がっています。

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色は全4色

■ 国産丹後五重織長襦袢(八丁撚糸使用) ≪梅詰め彩りぼかし藤色≫

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■ 国産丹後五重織長襦袢(八丁撚糸使用) ≪梅詰め彩りぼかし桃色≫

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■ 国産丹後五重織長襦袢(八丁撚糸使用) ≪梅詰め彩ぼかしクリーム≫

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全ての染は明るく綺麗で上品な色を枠場の手ボカシで染められています。生地の地模様だけでもグラデーションが効いて素敵なのですが、それを引き立てるように全部の色が濃淡に彩り綺麗な配色のミックスぼかしになっています。

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一越ちりめんの長襦袢も、変わり織紋綸子の五重織り長襦袢も、今となっては非常に貴重な長襦袢となりましたが、京都wabitasでは今後も丹後の国産長襦袢を切らさないように揃えて、取り扱っていきたいと思います。

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