白鷹お召:板締め絣(小松織物工房謹製)

2016年7月1日 14時07分

着物通販サイト京都wabitasでは、小紋や色無地など柔らかモノに分類できる着尺(きもの用反物)を主に取り扱ってきましたが、ユーザーの皆様からのご要望で紬やお召しなどの織物の品揃えを増やしています。

自社オリジナルの反物などは、丹後産地で創ってきましたが、只今品揃えに力を入れているのが米沢の織物です。

中でも置賜紬の伝統工芸士の作品を積極的に集めてきました。

その中でも米沢で最も知名度が高く、奄美大島紬や結城などと肩を並べる日本の代表的な織物が、白鷹お召です。

置賜紬の伝統工芸士の中で、伝統の板締め絣技法を取り入れた白鷹お召を生産されているのは小松紀夫氏と佐藤新一氏だけと聞きます。

年間でも生産量が極わずかで、なかなか入荷することが出来ない白鷹お召の反物を長い年月待ち、コツコツと少しづつ仕入れ今では4反をサイトで取り扱るようになりました。

佐藤新一氏の作品は、白鷹織の草木紬を2反扱っていますが、今回ご紹介するのは、小松紀夫氏(小松織物工房)謹製:板締め絣の白鷹お召し4反です。

白鷹お召の産地は、山形県の雪深い西置賜郡白鷹町です。
300年前、出羽の国米沢藩第9代藩主:上杉鷹山によって養蚕と染織が広まった北の織物産地です。
小絣とよばれる十字や亀甲などの細かい絣柄と鬼シボ(大きな凸凹)とよばれる独特のシャリ感が特徴です。

まずは京都wabitasで扱っている小松織物さんの白鷹お召しをご紹介します。

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■ 白鷹お召:伝統の板締絣 ≪小松織物工房(雪輪)≫

 

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■ 白鷹お召:伝統の板締絣 ≪小松織物工房(松皮菱)≫

 

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上2点の白鷹お召しもかなりの高級感があるのですが、更にラグジュアリーな織の白鷹お召しがこの2点です。

■ 白鷹お召:伝統の板締絣 ≪小松織物工房:黒地絣≫

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色違いでもう1点

■ 白鷹お召:伝統の板締絣 ≪小松織物工房:白地絣≫ 

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見た目も素敵な伝統の白鷹お召ですが、本来の良さは手に取った時に感じるクオリティーの高さです。

シボがあり軽いので、ちょっと贅沢ですが単衣の着物にお薦めできる圧倒的な素材感がこの商品の特徴です。

着物スタイリスト・コーディネーターで有名な森田空美さんも、単衣の着物に白鷹お召をお薦めされています。

この素晴らしいお召し物が出来るまでの工程など、その魅力をお伝え出来ればと思い、ブログに記しました。

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【白鷹お召ができるまでの工程】

  • まず生糸に下撚りをかけ精錬し染色します。さらに撚糸機で強撚をかけると同時にのりづけしてシボをつくります。
  • これがお召糸で、左回り・右回りのそれぞれに撚られたお召糸は、反物の緯(よこ)糸として使用します。
  • シボの大小は撚りの回転数によって決まり、一般のお召は左と右の撚糸を交互に織りますが、
  • 白鷹お召の場合はさらにその間に絣糸が入り、細緻な文様が浮かび上がっていきます。

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【伝統の板締め絣による糸染が最大の特徴】

あの中田英寿さんも旅をされている中で小松織物さんへ行かれて、この板締め技法を見られています。

「中田英寿の旅、バックステージ」

 

細かい絣文様は、絣文様に合わせて彫った板で糸を挟む板締めに染料をかけて出来上がる絣糸によって生まれます。この板締めによる絣糸の染め付け技法 は、白鷹町の織物工房2社でしかできないことから山形県の無形文化財に指定されています。

 

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【板締めによる絣糸の染め付け技法】

  1. 絣板という溝を掘ったブナの薄い板に糸を巻きつけ何層にも重ねてボルトで締め上げていきます。
  2.  糸の張りぐあいに神経を使いながら絣板を重ね、手の感覚を頼りに慎重に締めていきます。
  3. お湯をかけて、糸に染料がなじみやすいように下準備をします。
  4. 染め舟という台の上に乗せて、天然の植物染料の「クリスタルヘマチン」と呼ばれる染料をお湯に溶かし、絣板にかけていきます。
  5. 板をほどくと、板と板が重なった部分は染料が入らず、染料が通る溝の部分だけ染まった絣糸ができます。
  6. この作業は「ぶっかけ染め」と言われ、大胆で豪快な作業のようですが、板への糸の巻きつけ、板の締めつけ、染め方などにより仕上がりが決まってしまうため、繊細さが要求されます。

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一回の染付作業で2反分の絣糸を染め上げます。板と板との間の折り返しの部分が、仕上がりの両端にループ状の耳として残ります。
これは板締め絣だからこそでき、白鷹お召の証明でもあります。

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染め上がりが確認できたら、経(たて)糸と緯糸の模様を一本一本合わせながら、緯絣糸の間に強撚糸(右撚り左撚り)を交互にそれぞれ規則正しく織り込んでいきます。
一反の幅の中に200~250もの文様が織り込まれるため、ひとつの大きさはわずか数ミリです。熟練した職人でも1日に20~30cmが限界といわれています。


織り上がった後にぬるま湯につけて『シボ出し』をすることで、シボの立った繊細な経緯絣のサラリとした風合いを引き出します。

すべて手織りですので、一反一反丁寧に丹精込めて織り上げているので1ヵ月に数反しか上がらず、本当に希少価値のある織物です。

シャリ感のある白鷹お召しは、その素材感を出来る限り体に感じていただきたいので、裏地を付けずに単衣着物として、5月・6月や9月もしくは10月まで着こなして戴く単衣着物にお薦めです。
(もちろん袷着物としてもお召しいただけますので、仕立て方は自由です)

このように日本の織物の中でも最高峰の織物とも呼べる小松織物工房さんの白鷹お召をサイト上なら【お召し】コーナーで、実物を見て触れるなら京都のショールームでそれぞれご覧いただけます。

2016年7/14~7/16の祇園祭の時には、着物メーカーと共同で着物ファミリーセールを開催致しますので、そこにも出品する予定です。

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着物通販サイト京都wabitasでは、リーズナブルな安価な品から、最高級なラグジュアリー商品まで幅広く取り扱っています。

ショールームで品物を見てみたいという方は、遠慮なくお申し付け下さい。

白鷹お召が揃う着物通販サイト京都wabitas(ワビタス)