天然素材を織った八寸の帯:タサ―ル蚕シルクの波筬織

2020年11月9日 16時20分

藤布・榀糸・野蚕糸・芭蕉布・諸紙布など、着物通の方々の中では天然の素材を原糸にして織った帯が人気なようです。どれも大量生産が不可能な素材ばかりで、希少価値の高い商品になります。

高級織物を扱う着物通販サイト京都wabitasでも、これまで色々な希少価値の高い帯を扱ってきましたが、今回ご紹介する新しい帯もその一つです。

天然の素材を、通常とは異なる織り方で創作した、拘りの帯です。使っている天然の原糸はタサ―ル蚕シルクです。

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画像の説明にもあるように、色ムラと織によるムラが特徴の野蚕糸の一つです。

その糸で織った織物は、無地に織っただけで、その特徴がハンパなく出て、レトロ感溢れるカジュアルな素材です。

そんなタサ―ル蚕シルクを使い、全通の無地織にして織った帯をご紹介するのですが、織り方にひと手間掛けているんです。

そんなひと手間かけて織りあげた作品がこちらです。

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ヨコに波のようにヨロケて織り上がっているのが、この帯の特徴の一つです。

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何故このようにヨロケているのかというと、織機の筬を波のように歪んだ波筬にしています。そうすることによってタサ―ル蚕シルクのムラが、波の模様になって浮かび上がって本品が出来上がりました。

■ 天然素材八寸全通無地帯 ≪波筬:タサ―ル蚕シルク≫

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米沢織の八寸の帯を織る織機を使って、見事な波筬織の八寸が完成しました。

本来このような野蚕糸を使って波筬で織る方法は、時間が掛かりますが手織りでゆっくりと織らないと無理なのですが、本品は自動織機を使って織りあげた逸品です。

通常の自動織機の速度で、タサ―ル蚕シルクのような不規則な糸を織るのは難しく、速度を緩めてゆっくりと織りあげます。それに本品の場合は筬を波筬にしているので、更に織の速度を緩めて、ゆっくり、ゆっくり織ります。速度を緩めるというよりも、手織り並みのスローで動かさないと製品化するのは不可能なのです。

結果として、この波筬織の八寸の帯は、手織りと変わらない生産性なのです。

しかし、生産性に見合わない手間暇かけて織りあげた帯は、その努力の甲斐あって自動織機を駆使したことにより、手織りの帯と変わらないか、それ以上のハイクオリティーな作品として完成して、手織りの作品よりもリーズナブルな価格設定でご提供させて頂くことができるのです。

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手織りと同じクオリティーの作品が、手織り本来の価格設定よりも、リーズナブルにお求め頂くことができるのも、この帯の魅力でもあるんです。

織元は山形県米沢です。

カジュアルな全通無地の帯なので、染着物ならカジュアル小紋、織なら大島や結城など紬の着物などに合わせて頂きたい、レトロ感溢れる高級八寸の帯です。

波筬の魅力が詰まった素晴らしい作品は、着物通販サイト京都wabitasの八寸の帯コーナーでご覧頂くことができます。

素晴らしい帯ですので、是非手に取って直に見て頂きたいと思います。こちらの帯も京都のショールームにお越し頂ければ、常設中なので気軽にご覧いただくことができます。

京都在住の方はモチロンですが、他府県から京都へ来られてる機会がありましたら、是非一度ショールームにお立ち寄り下さい。

ショールームでは、今回の商品以外にサイトで取り扱い中の品々をご覧いただけます。

着物通販サイト京都wabitas(ワビタス)