フォーマルの装い

2009年9月9日 17時34分

きもの文化検定前なのでちょっと勉強というか基本というかお付き合い下さい。

きものを装う目的は、フォーマルかカジュアルなのか二つに分けられます。フォーマルとは社会的なという意味を持つ公の儀礼のことです。

どちらかと言うと自分のためというより、招待してくれた相手や周囲を尊重した装いです。

伝統的な形式美に従った装いを心掛けるのは何よりもそのためなんです。

フォーマルの第一礼装は黒留袖ですよね。五つ紋を入れ最も格の高い着物です。下に着る長襦袢は礼装用として白の長襦袢を使います。

柄は落ち着いたものが一般的で 雲取り ・ 露芝 ・ サヤ型 などがよく喪服と兼用柄として一般的です。

同じく第一礼装として色留袖も五つ紋を入れると黒留袖と同格になります。

黒留袖が親族のものですが、色留袖は親族以外の既婚の列席者や遠縁の親戚として結婚式に出席する時や、友人の披露宴に出席する時に着るものです。

準・略礼装でもある訪問着は、洋服の訪問服と同格で、しきたりはやや自由に考えられていて、結婚式・パーティー・茶会などたいていの場に着て行くことができます。

一枚の着物で格調を出したり幾通りにも楽しめるのが色無地で一つ紋で略礼装、三つ紋で訪問着より格が上になります。

これらの色物のフォーマル用の長襦袢には、柔らかな色目の無地やぼかしの染め物が一般的です。

色は ピンク ・ クリーム などが一般的によく使われていますが、最近はおしゃれ物にも合わせられるような染め方の物が増え ムラサキ ・ ベージュ ・ 若草色 ・ 水色 などの物が多いです。

その他に何色か使った ムラサキとグレーの合わせやクリームとピンクを合したミックスぼかしもセミフォーマル用としてあります。

準・略礼装としては、色無地と同じく江戸小紋も紋の数や礼装用の帯を合わせれば訪問着より格が高くなることもあります。

特に江戸時代の裃小紋から発達した 鮫小紋 ・ 行儀 ・ 角通し ・ 万筋  霰 などは格調が高い柄です。

一般的には着物といえばフォーマルのイメージが強いです。

フォーマルでもこれだけの装いがありますしその他にも附け下げや小紋もありフォーマルの装いはこれからも伝統として受け継いでいきたいですね。

 以上です。

京都wabitas(ワビタス)